仕事で行く海外
つまらない渡航記


プロローグ
海外は旅行するのにつきる。
仕事なんかがからんできたら、日本にいるときより拘束時間は増加し、トラブったときは惨事にいたる確率も高くなる。
若い読者の方は海外出張などにあこがれることもあるだろうが、ただ仕事が海の向こうになるということでこれは面白いことはあっても愉快なことはほとんどない代物である。

今回は、仕事で出かける海外がいかにつまらないものかを書いていくことにしよう。
まあ行った先での出来事や感じたことの殴り書きであるが、仕事に関しては書かないことにする。
マジでつまらなくなってしまうからだ。
そのためこれは移動前や移動中、そして寝る前あたりの一日の中でも正味3時間ほどのおはなしになる。
まあ、初日と最終日はフライトがあるのでそれよりちょっとは長くなるのだが、長くても愉快なことが多くなるとは言い切れない。

早朝はつらいけど
朝10時くらいのフライトならば、5時台に家を出なければならない。これは都内にお住まいの諸兄も同じような条件であろう。私は成田エクスプレスがタイミングよくあったので、成田前泊はまのがれたくちである。
成田エクスプレスで朝食にと、パンは前日に買い込むことにしたのだが、飲み物はどうしようか。 いろいろ調査してみると、ファーストフードの店やコーヒーショップは意外と朝寝坊で驚いた。やっぱ飲み物も前日かあ、あったかいのが飲みたいのにと思っていたら駅の改札となりのコンビニが5時半開店なのでそこで調達することにした。

外はまだ暗い。 しんしんと冷え込む夜明け前だ。
誰も歩いていないまだ眠ったような街に、キャスター付きバッグを転がす音が響く。高い建物の間の細めの道は安眠妨害になるのではと思うくらい響いた。
駅が見えるあたりから人が見えてきた。ひとりふたりと数えられる程度だったのが駅前はちょっとしたザワつきが聞こえるほどの人出であった。
平日の5時台なんて銀行か証券会社の社員くらいしかいないだろう、と思っていたがかろうじて多数派のスーツ姿のほかには制服の小学生(半ズボンで寒くないか! カゼひくなよ、歯磨いたか? また来週!)。夜勤明けの現場作業員や米兵だろうか黒人と日本人のカップルまでいた。朝から見つめあいやがって。いやいや彼らからしたらまだ楽しい夜の延長か。

下調べをしていたコンビニには結構な人がいた。
乗換えの時間つぶしで、外は寒いから電車をそこで待っているのだろうか。
コンビニというのは便利だけど狭いのが困ったもので、冷たい飲み物はだいたい一番奥の大きな冷蔵棚に入っているのだが、温かい飲み物は冷蔵棚の隣と、アイスの冷蔵庫の上と、キャッシャーの三ヶ所に分かれていた。それをキャスター付きバッグをゴロゴロさせながら人をかき分けてどれがいいかなと選ぶ。三ヶ所もあるからけっこうたいへんだった。お菓子の棚でからだをかたまらせて一所懸命吟味しているお姉さんの横を三度も通り過ぎてしまった。


そして電車
コンビニで買ったドリンクが冷えないようにすぐかばんに入れる。
改札を抜けてタイミングよくやってきたエレベータでホームに下りると、ここも結構な人がいて驚く。
しかも、私のように荷物を持った「今日はたまたま早い」といった感じの人はみあたらず、ほどんどが「いつもの電車」といった風に見えた。
ご、ご苦労さん。 これが毎日なんて朝型の私でも敬服するくらいだ。
先に来た下り電車にも乗客が多い。
下りだから若者なら飲み明かして始発で帰ってシャワーを浴びてまた出勤なんてハードなことができるかもしれないが、普通に出勤の少し眠そうだがまあまあしゃきっとした人たちが降りてくる。
しばらくしてやってきた上り電車はガラガラと思っていたのだが座席がちょうどうまるくらいの人がいた。
想定の範囲外だった。
早朝だからすいていると思っていたが、早朝で本数が少ないので混んでいたのだ。
キャスターが4個なので電車が揺れると動いてしまうバッグを押さえながら、すぐに成田エクスプレスに乗り換えできてラッキーだなとつくづく思った。
(つづく)


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